心に残る支援

今回は私の心に特に長く残るであろう最近の支援事例をお話ししたいと思います。

 

ひだまりの和「かぞく会」へご入会される方の中には、ご病気などでご自身の最期の時期を受け止めて、私達を必要としご入会される方もいらっしゃいます。

 

その方とお会いしたのは亡くなる約4か月前のご入院先の病院でした。結婚歴はなく、ご本人様のお話では他県にご兄弟はいらっしゃるが、何十年と音信がない状態で、心配をかけるので探してほしくないとおっしゃられました。ベッドでお話はできるものの、自分で起きあがる事は難しく、長い時間のお話もしんどいとおっしゃっていました。

 

ご依頼を受けた中心的な支援内容は、借家の家財品整理と解約手続きの支援・最期を迎えたときの身元の引受けと火葬供養ならびに諸手続きの支援でした。

 

家財の整理の為に訪れたご本人様の借家のポストを確認すると、他県にお住まいのご兄弟から送られてきたお手紙を見つけました。早速、ご本人様に確認して頂き私が代筆でお返事をしました。

そのお返事によると、半年前に所在を知ることが出来、ずっと音信は無かったが、お互いに高齢を迎えこのまま二度と会うことが出来なくなってしまうのではないかと思い手紙を送ったそうです。その時は返事が来なかったため半ば諦めかけていたとの事でした。既往歴を確認すると、ちょうどその時期にご本人様が自宅から救急搬送され、自宅へ戻れなくなった時と一致していました。今回2度目の手紙でようやく連絡が取れて本当によかったとおっしゃっていただきました。

 

しかしそれは、新型コロナウイルスの感染が拡大して緊急事態宣言が発令される矢先の事でした。

 

ご兄弟の方も何とか会えることが出来たらいいなと考えてはいらっしゃいましたが、こちらに出向くことが難しく、とうとうその思いも叶わず、ご本人様は天国へ旅立たれました。

 

きっとご本人様もご兄弟の方と一目お会いしたかったことでしょう。そのことを思うともっと早く周りの誰かが気付いていたら、最初のお手紙が届いたときに私たちと巡り会っていたらと考えると熱いものが込み上げてきます。

 

先日、ご兄弟の方が当法人事務所へご来所して下さいました。お互いの存在を最後に確認でき、孤独に最期を迎えることがなく旅立つことが出来てよっかたとお礼のお言葉を頂きました。

 

私達が支援できた期間は短かったですが、人の縁や家族の愛情・絆を感じることができた支援となりました。

 

Princeマサ